玦状耳飾り(けつじょうみみかざり)は、日本の縄文時代前期を中心にみられる耳飾りの一種である。円形、楕円形や三角形に近い形状をしており、中央に穴が開けられ、滑石、蛇紋岩などを用いて作られている。
概要
古代中国で祭祀に用いられた玉器である『玦』に形が似ることから、その名がつけられた。耳飾りの一種であるが、日本においてイヤリングと呼称される、耳たぶを挟んで装着するもの(詳しくはイヤリングを参照)ではなく、耳たぶに孔をあけて装着するピアスである。
出土量の少なさや、材料である石材の希少性から、特別な人物のみが装着を許されたのではないかと考えられており、その人物の権威を示すための装身具であった可能性がある。
分布とルーツ
大阪府藤井寺市の国府遺跡から出土したことが有名であるが、全国各地の遺跡から多数発見されている。国外では、遼河文明 (興隆窪文化)の遺跡からも見つかっており、三内丸山遺跡との類似性が指摘される。群馬県下仁田町や福井県あわら市で発見されたものは、当時の日本では確認されない鉱物を用いており、中国や朝鮮半島からの渡来の可能性がある。
脚注
参考文献
- 「北海道の縄文文化-こころと暮らし」刊行会編著; 三浦正人監修『北海道の縄文文化-こころと暮らし』亜璃西社、2021年2月25日。
- 小林圭一 (2015), 山形県内出土の玦状耳飾について, 公益財団法人山形県埋蔵文化財センター
関連項目
- イヤリング
- ピアス
- 耳環




