鹿児島市交通局7500形電車(かごしましこうつうきょく7500がたでんしゃ)は、鹿児島市交通局にて2017年3月30日より運行を開始した超低床車両である。愛称は「ユートラムIII」。 2018年5月24日付で「鉄道友の会」のローレル賞を受賞した。

歴史

導入までの経緯

「鹿児島市LRT整備計画」に基づき、老朽化した500形電車の置き換えとして、2017年に2編成が導入された。

増備

2019年1月に2次車である7503 - 7504が登場し、同年3月1日には営業運転を開始した。

車両概説

車両

2車体連接車であり、アルナ車両の超低床車ブランドであるリトルダンサーのタイプXをベースとしている。

車内

定員は1000形電車(初代ユートラム)より10名(8座席)増の68名(26座席)となっている。車体寸法は、長さ14.4メートル、幅2.44メートル、高さ3.75メートルであり、自重は18.5トンである。

機器

台車は新たに開発したSS15台車を用い、世界最小クラスのモーターを用いたことで、国内では初となる従来車と同様のWN駆動での100%超低床車を実現した。運転台機器は、1000形および7000形と同じ右手操作式ワンハンドルマスコン。また室内は全席ロングシートを採用している。パンタグラフはA車に設置される。

製造時期による差異

2次車は窓が1次謝の押し出し式から引き違い式になるなど細部が変更されている。

塗装

2022年には7502にチャギントンのウィルソンとブルースターを再現したラッピングが施され、2月25日から運行を開始した 。

運用

1000形電車・7000形電車と共通運用であり、各停留所の時刻表に表記されているほか、ホームページでも確認することができる。

事故

2024年(令和6年)8月3日14時10分頃に鹿児島駅前電停の分岐点で谷山発鹿児島駅前行きの7502Aが別の線路に入り脱線する事故が発生した。

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 『路面電車年鑑2017』(イカロス出版)
  • 『路面電車EX』2017年Vol09(イカロス出版)
  • 柴田東吾「国内超低床電車2023」『鉄道ジャーナル』679号、2023年、35頁。 
  • 寺田裕一「路面電車40年の軌跡を訪ねて 鹿児島市交通局2」『鉄道ファン』第63巻第7号、交友社、2023年、112頁。 
  • 鉄道ファン「鹿児島市交通局7500形 「ユートラムⅡ」」『鉄道ファン』第57巻第6号、交友社、2017年、100頁。 

外部リンク

  • 鹿児島市交通局7500形車両用電機品 - 東洋電機製造『東洋電機技報』第136号(2017年)

鹿児島市交通局 日本の旅・鉄道見聞録

鹿児島市交通局7500形電車 JapaneseClass.jp

2017 鹿児島市交通局 7000形 GANREF

鹿児島市交通局 笹貫停留場

鹿児島市交通局 涙橋停留場