NIAGARA CM SPECIAL』(ナイアガラシーエムスペシャル)は、1995年3月24日に発売されたNIAGARA CM STARS名義による大滝詠一のコンピレーション・アルバム。

解説

大瀧詠一が1973年 (1973)から1983年 (1983)までの10年間に手掛けたCM作品を収録。

CMは商品および時代に大きく関係しているのが通常だが、大瀧の場合はCMを“自作の発表の場”として自由な音作りをしていた。その証拠の一つに、CM作品のほとんどを自らがミックス・ダウンを行うという、当時まだ少なかった試みをCM界において行った。特に「サイダー'73」から「サイダー'75」までの2年間は、大瀧のアルバム制作、および通常の作曲活動が皆無の時期で、プロデュース準備期間とCM活動のみだった。そのため、はっぴいえんど解散から“ナイアガラ・レーベル”スタートまでの2年間の音楽活動を知ってもらうことも、このアルバム制作の目的の一つだったという。

本作は1977年 (1977)リリースの 『NIAGARA CM SPECIAL Vol.1』と、ナイアガラ・レーベルのCBSソニーへの移籍後の1981年 (1981)にリリースされた『NIAGARA CM SPECIAL Vol.1 2nd Issue』をミックスした型での選曲という点は1983年 (1983)リリースの『NIAGARA CM SPECIAL Special Issue』と同様だが、曲順・収録内容が異なっている。また、タイトルも“NIAGARA CM SPECIAL”になり、ジャケットが『Vol.1』と同じものなった。さらにCD表面が赤レーベルになり、大瀧本人によるナイアガラの歴史と共に詳細な曲目解説が付記されている。

収録曲

  1. CM SPECIAL Theme  – (0:09)
  2. CIDER '73 (1973年2月 (1973-02))  – (0:56)
    作詞 / 伊藤アキラ 作曲 / 多羅尾伴内
    1. CIDER '73  – (0:27)
    2. CIDER '73(オリジナル・カラオケ)  – (0:29)
      2月26日のレコーディング。ドラムはSAMURAIの原田裕臣、ピアノがザ・スパイダースの大野克夫、ベースがアラン・メリルという初顔の組み合わせ。コーラスは大瀧のファースト・アルバム『大瀧詠一』でコーラスを担当したシンガーズ・スリー。大瀧にとっては、はっぴいえんど関係者が全く参加していない初めてのレコーディングだった。作詞は伊藤アキラだが、はっぴいえんどの時に多かった制作方法で文字数を“5・7 7・5”という風に数字で渡すという手法が使われた。更に詞の最初を“あ”音で初めて欲しいという要望を出したという。
  3. CIDER '74 (1974年1月 (1974-01))  – (1:00)
    作詞 / 伊藤アキラ 作曲 / 多羅尾伴内
    1. CIDER '74  – (0:29)
    2. CIDER '74(オリジナル・カラオケ)  – (0:31)
  4. CIDER '75 (1975年1月 (1975-01))  – (0:56)
    作詞 / 伊藤アキラ 作曲 / 多羅尾伴内
    1. CIDER '75  – (0:28)
    2. CIDER '75(オリジナル・カラオケ)  – (0:28)
      バック演奏は、伊勢丹のCMソングとして使われる予定だった「どんな顔するかな」が未使用であった為、テンポを遅くしてバンジョーが追加収録されている。
  5. CIDER '77 (1976年11月 (1976-11))  – (1:01)
    作詞 / 伊藤アキラ 作曲 / 多羅尾伴内
    1. CIDER '77  – (0:30)
    2. CIDER '77(オリジナル・カラオケ)  – (0:31)
  6. CIDER '73 (ロング・バージョン)  – (1:49)
    作詞 / 伊藤アキラ 作曲 / 多羅尾伴内
  7. CIDER '74 ニューソウル変〜メレンゲ辺 (1974年1月 (1974-01))  – (0:51)
    作詞 / 伊藤アキラ 作曲 / 多羅尾伴内
    1. CIDER '74 ニューソウル変  – (0:24)
    2. CIDER '74 メレンゲ辺  – (0:27)
  8. CIDER '75 SAX編 (1975年1月 (1975-01))  – (0:26)
    作詞 / 伊藤アキラ 作曲 / 多羅尾伴内
  9. CIDER '77 (ロング・バージョン) (1976年11月 (1976-11))  – (1:02)
    作詞 / 伊藤アキラ 作曲 / 多羅尾伴内
  10. 若返り (1973年3月 (1973-03))  – (0:32) *
  11. アシ・アシ (1973年4月 (1973-04))  – (0:38) *
  12. Summer Lotion (1973年4月 (1973-04))  – (0:59) *
  13. 丈夫な夫婦 (1973年5月 (1973-05))  – (0:30) *
  14. コメッコ(のこいのこ) (1973年5月 (1973-05))  – (0:40) *
  15. ココナツ・コーン (1973年8月 (1973-08))  – (0:28) *
  16. ジーガム A TYPE〜B TYPE (1973年9月 (1973-09))  – (1:28) *
    作詞 / 村田洋子、伊藤アキラ 作曲 / 多羅尾伴内
    1. ジーガム A TYPE  – (0:51)
    2. ジーガム B TYPE  – (0:37)
      三菱電機BCLラジオ「ジーガム」のCMソング。久々の大瀧による一人多重録音。大瀧のCMに初めてシュガー・ベイブが登場した作品。大瀧は48時間スタジオをキープし、その間ホテルで数時間仮眠をとってレコーディングを行い、当時のCMとしては破格のスタジオ料だったという。スティール・ギターは駒沢裕城、サックス隊を初めて使用。ニュー・オーリンズ色を強めていった時期の作品。
  17. ドレッサー I〜II〜III  – (2:42)
    作詞 / 電通 作曲 / 多羅尾伴内
    1. ドレッサー I 15" (1974年4月 (1974-04))  – (0:36) *
    2. ドレッサー I 30" (1974年4月 (1974-04))  – (0:24)
    3. ドレッサー II (1974年10月 (1974-10))  – (1:12)
    4. ドレッサー III (1976年6月 (1976-06))  – (0:30)
      花王ドレッサー
  18. どんな顔するかな (1974年9月 (1974-09))  – (0:28) *
    作詞 / 博報堂 作曲 / 多羅尾伴内
    伊勢丹
  19. クリネックス・ティシュー (1975年4月 (1975-04))  – (0:31)
  20. ムーチュ (1975年10月 (1975-10))  – (0:28) *
  21. タマゴのタンゴ (1977年4月 (1977-04))  – (1:57) *
  22. スメランド (1977年4月 (1977-04))  – (0:41) *
  23. Good Day Nissui (1978年6月 (1978-06))  – (0:57)
  24. ハウス・プリン(大場久美子) (1979年1月 (1979-01))  – (0:26) *
    作詞 / 伊藤アキラ 作曲 / 多羅尾伴内
    依頼されて大滝歌唱の別メロディーで録音して持参したらボツにされる。大滝歌唱の音源は30周年盤にデモとして収録された。
    その後、『青空のように』と同じ曲調の物にしたら採用された。因みに歌唱した大場久美子はこれ以降1984年に『悲しみ貯金箱』を出すまで俳優業に専念する。
    大滝は年後、福生のスタジオではなく、外部の大きいスタジオで録音したと語っている。後にステレオミックスも発表されるが、ステレオミックスには大場の"プリン、プリン"がない。
  25. オシャレさん (1979年1月 (1979-01))  – (0:32)
  26. MG5 (1979年4月 (1979-04))  – (0:19) *
  27. 冷たく愛して(スクール・メイツ) (1979年12月 (1979-12))  – (0:31)
  28. 大きいのが好き(EPO、シャネルズ) (1980年1月 (1980-01))  – (0:34)
  29. レモンのキッス (1980年2月 (1980-02))  – (1:33)
    作詞・作曲 / D MANNING 日本語詞 / みナみカズみ
    1. レモンのキッス(佐藤奈々子)  – (0:58)
    2. レモンのキッス(アパッチ)  – (0:35) *
      サントリーレモンのCMソング。CM制作はいつものONアソシエイツではなく、PMP。そこの担当の推薦が佐藤奈々子だったが、「歌の“味”は分かるが“味”だけではダメ」というスポンサーの意見から、次にアパッチが歌うことになったという。
  30. Big John A TYPE〜B TYPE (1980年3月 (1980-03))  – (1:02)
    作曲 / 多羅尾伴内
    1. Big John A TYPE  – (0:30)
    2. Big John B TYPE  – (0:32)
      ビッグジョン・ジーンズのCMソング。歌詞は、敬愛するエルビス・プレスリーのヒット曲のタイトルを繋げたものだという。
  31. Hankyu Summer Gift (1980年5月 (1980-05))  – (1:02)
  32. 出前一丁 (1980年8月 (1980-08))  – (0:30)
  33. 大関 (1980年10月 (1980-10))  – (0:30)
    作詞 / 伊藤アキラ、電通 作曲 / 多羅尾伴内
  34. UFO(広谷順子) (1981年1月 (1981-01))  – (0:30)
  35. Marui Sports (1981年2月 (1981-02))  – (0:09)
  36. 悲しきWalkman '81 (1981年3月 (1981-03))  – (0:37)
  37. Lemon Shower(須藤薫) (1981年6月 (1981-06))  – (0:40)
  38. 風立ちぬ(松田聖子) (1981年8月 (1981-08))  – (0:45)
  39. A面で恋をして (1981年9月 (1981-09))  – (0:29)
  40. CIDER '83 (1983年2月 (1983-02))  – (0:29)
  41. CM Special Vol.2 (1982年 (1982))  – (1:13)
*MONO

クレジット

  • COVER DESIGN BY 中山秦 RICHIE YOUNG STUDIO

リリース履歴

脚注

注釈

出典

書籍

その他

外部リンク

SonyMusic
  • NIAGARA CM SPECIAL  – ディスコグラフィ
その他
  • Niagara-CM-Stars-Niagara-CM-Special - Discogs

ナイアガラ / NIAGARA cmスペシャルvol.2 / cm special vol.2 15AH1515スノーレコード・ブログ

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